【2014年の期待作4】猫好きには外せない『猫侍』から賛否両論の『ルパン三世』まで!
新しい年の幕開け! 映画好きにとっては、今年はどんなステキな作品に出会えるかな、何本の作品を映画館で観ることができるかな、と胸が躍る時期ですね。そこで2014年前半に公開が予定されている作品群から、邦画洋画合わせて期待および注目作の計10本をピックアップしてみましょう。気になる続編モノもたくさんありますが、今回、そちらは外しております。
・【2014年の期待作2】前半はアカデミー賞有力候補が目白押し!
『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』(2月28日公開)
『サイドウェイ』『ファミリー・ツリー』のアレクサンダー・ペイン監督最新作。人間味あふれるキャラクターで人生を語ることに長けたペイン監督の新作は父と息子の物語。「貴殿に100万ドルを差し上げます」という明らかに怪しい文書を受け取った父ウディは、すっかりそれを信じ、歩いてでも遠く離れたネブラスカ州に100万ドルを受け取りに行くと聞かない。父とは距離を置いていた息子のデイビッドだったが、仕方なくネブラスカまでの旅路を共にすることになる。2013年カンヌ国際映画祭でウディを演じたブルース・ダーンが最優秀男優賞を受賞。コンスタントに愛すべき小品を生み出すペイン監督に、またやられること必至。
『アメリカン・ハッスル』(1月31日公開)
クリスチャン・ベイルのバーコード禿げ頭姿も話題の実話の映画化。1970年代後半に実際に起きた汚職スキャンダルを基に、FBI捜査官に協力を依頼された天才詐欺師が政治家たちに罠を仕掛けていく様をユーモラスに描く。監督は俳優陣の潜在力を引き上げることにかけて右に出る者はいないと言っても過言ではない『ザ・ファイター』『世界にひとつのプレイブック』のデヴィッド・O・ラッセル監督。天才詐欺師にクリスチャン、その愛人をエイミー・アダムス、妻にジェニファー・ローレンス。さらにイカれたFBI捜査官にブラッドリー・クーパー、ターゲットにジェレミー・レナーと豪華布陣が、いつもとは違う顔を披露する!
『フルートベール駅で』(3月21日公開)
実際に起きた事件を基に描く社会派ドラマ。2009年のニューイヤーズ・デイに22歳の黒人青年が鉄道警官に射殺された。この事件は全米で大きな波紋を巻き起こすことになる。今も根強く残る黒人差別。主人公の若者の最後の1日を再現することで、愛情と悲しみを描き出す。サンダンス映画祭において作品賞、観客賞を受賞。辛い内容だが、映画にはこういう側面も伝えてくれる力がある。
『ミケランジェロ・プロジェクト』(4月公開)
こちらも実話関連。製作側としても高い評価を受けるジョージ・クルーニーが、製作・監督・脚本・主演を兼ねるエンターテインメント大作。ナチスドイツが貴重な美術品を集めていたことは有名な話。本作ではそのナチスドイツからミケランジェロの名作などの貴重な美術品を奪還するミッションを受けた男たちの姿を、サスペンスフルに綴る。ハリウッドの兄貴ことジョージの作品とあって、共演者もマット・デイモン、ケイト・ブランシェットと豪華。
『ブルージャスミン』(5月10日公開)
『ミケランジェロ・プロジェクト』にも出演するケイト・ブランシェットが主演をつとめるのが本作。今なお精力的に新作を送り出し続けるウディ・アレン監督の最新作で、アレンというとコメディの印象が強いが今回はシリアスドラマ。ニューヨークのセレブリティとして何不自由なく生活していたが、全てを失ってしまったジャスミン(ケイト)が、妹の暮らすサンフランシスコへとやってくる。過去の幸せにしがみつくジャスミンは、あるパーティで出会ったリッチな独身男性に、経歴を偽って近づく。78歳を超えてなお円熟味を増し続けているアレン監督の作品で、演技派ケイトがどう輝くか、注目。
『猫侍』(3月1日公開)
全くもって個人的な意見だけれど、猫好きには外せない1本。『ねこタクシー』『幼獣マメシバ』『くろねこルーシー』の製作チームが集結。このシリーズでは愛らしい動物と主人公のミスマッチがひとつの魅力になるが、本作で白猫と共演するのは北村一輝。十分にミスマッチ感をクリアしている。時は幕末、かつて百人切りと恐れられた斑目久太郎のもとに、暗殺の依頼が舞い込むも、その内容とは敵対する一家の親分を斬れというものではなく、親分の猫を斬れというものだった! 猫ちゃんはもちろん、猫に萌える北村の姿に、こちらも萌えちゃいます。
『偉大なる、しゅららぼん』(3月8日公開)
独特の世界観で魅了する人気作家・万城目学の人気作を映画化。琵琶湖畔の街で代々不思議な力を伝承してきた一族。その跡取り息子・淡十郎の失恋をきっかけに、世界存亡の危機へと発展してしまう騒動を描く。摩訶不思議な万城目ワールドでダブル主演をつとめるのは岡田将生と濱田岳。これまでにも映像化されてきている万城目作品。何気に『鴨川ホルモー』好きな筆者は、こちらも期待しております!
『ルパン三世』(夏公開)
昨今、人気マンガ実写映画化はもういいよとお腹いっぱいになっている人も多いだろう。しかも世代を問わず絶大な人気を誇る、もはやアニメ界のレジェンド的存在の「ルパン三世」が実写になるとあっては(過去にも映画化はあるのだが)、みんなの話題に上るのも当然のこと。私もルパンは大・大・大好きだ。注目を浴びる作品なだけに、みんなが納得するキャスティングを得るのは難しいに決まっている。だが、そんなことは製作側だって100も承知(のはず)。そのうえで、実写化しようというのだから、それなりのサプライズを持ってくるに違いない(と期待している)。絶対に小栗旬主演では見たくないという人もいるだろうが、筆者は、ルパンのファンとして実際に自分の目で見て確かめずにはいられない。(文:望月ふみ/ライター)
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