【落語家・瀧川鯉八の映画でもみるか。/第8回】
中野の街が好きです。
毎日1時間散歩するなかで必ず中野を通ります。
中野へ行くために散歩してるのかもしれません。
新井薬師も好きです。
西武線の新井薬師駅から中野方面に歩くのが大のお気に入り。
新井薬師の商店街の歩道はやたら狭いです。
昔の規格です。
通り過ぎる人と肩がぶつかりそうです。
それが良いとも悪いとも思いません。
至るところに喫煙所もありません。
少しだけ時代遅れなのですが、それが新井薬師の魅力です。
個人商店もたくさん。
「中野苑」という焼肉屋さんが美味しいですが、人気でなかなか入れません。
焼鳥屋さんの「一の酉」も好き。
綺麗で清潔で、それが味にも反映されてて家族連れも多いです。
煮込みが旨い。
製麺のお店も多く、うどんなどよく買います。
「ミートプラザニシジマ」のコロッケも美味しい。
すき焼きをするために高い牛肉を買ったことがありますが、食べるときに緊張したので、そんなに高いお肉じゃなくてもいいんだなと勉強しました。
今では上から5番目くらいの肉を買ってお米を楽しむようにしています。
毎日行く喫茶店もあります。
中野駅から行く中野より、薬師から行く中野のほうがオススメです。
中野の魅力はさまざまなところで語り尽くされています。
中野ブロードウェイは世界的にも人気です。
ぼくは中野ブロードウェイの地下が好きです。
地下のアーケードは老若男女向けではないはずなんですが、結果、老若男女たくさんいます。
懐かしさの残るアーケードです。
占い屋さんもあります。
少し怪しい雰囲気が地下のアーケードらしいです。
「レインボウスパイス カフェ チャイストール」でカレーを食べるのが散歩の折り返し地点です。
チキンマサラとポークビンダルーのダブルカリーライスを必ず注文。
冷たいチャイも。
スパイススパイスしてないのがいいです。
みんな大好きな味です。
日本でいちばん美味しいスパイスカレーです。
そのあとはデザートでソフトクリームを「デイリーチコ」で食べます。
これも昔ながらのソフトクリームです。
シンプルな味です。
流行り廃りがない味。
ぼくはいつもチョコとミルクとラムネの3種類と、その時の気分でもう1種類の4段にして食べます。
ママとお嬢さんが並んで食べている絵がそこらかしこにあります。
和みます。
夕飯のために手作り天心「また明日。」というお店で12個入りのシューマイセットを買います。
美味しくて一瞬で食べきります。
明日と言わず、今日また欲しくなる旨さです。
シューマイというのはなんであんなに旨いのでしょうか。
中国が発明したものでいちばんです。
ちなみにエスカレーターを降りてすぐのところにある靴の修理や合鍵作りをしてくれる「シューズドクター119」は映画『ぐるりのこと』で技術協力したとかしないとか。
リリー・フランキーさんが靴の修理屋さんの設定でした。
貼り紙にそう書いてありました。
とにかくシューマイを発明したくれた中国に謝謝です。
中野の魅力は底無しの天井知らずです。
テーマパークに行く必要などありません。
映画館には行きましょう。
※【鯉八の映画でもみるか。】は毎月15日に連載中(朝7時更新)。
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