被災地・福島で昨夏ロケ。『星守る犬』会見で西田敏行が語った故郷への思い

西田敏行
西田敏行
西田敏行
西田敏行(左)と玉山鉄二(右)
玉山鉄二
川島海荷
岸本加世子
中村獅童
藤竜也
川島海荷
玉山鉄二
左から瀧本智行監督、藤竜也、岸本加世子、西田敏行、玉山鉄二、川島海荷、中村獅童、村上たかい
『星守る犬』
(C) 2011「星守る犬」製作委員会

1人の中年男性と愛犬との旅路を描いた感動作『星守る犬』。人気コミックを映画化したこの作品の完成披露記者会見が5月9日に東京国際フォーラムで行われ、西田敏行、玉山鉄二、川島海荷、中村獅童、岸本加世子、藤竜也、瀧本智行監督、そして原作者の村上たかしが出席。映画への思いを語った。

『星守る犬』完成披露記者会見フォトギャラリー

映画は、ワゴン車のなかで人知れず亡くなっていた主人公・おとうさんと愛犬ハッピーの軌跡を、1人の青年が辿っていく物語。リストラや熟年離婚、孤独死といった現代社会が抱える問題を背景にしていて、人々の共感を誘う。

おとうさんを演じた西田は作品との出会いについて聞かれ、「映画化したいということで、仕事で大阪に向かう新幹線のなかで原作を読みましたが、浜松でほぼ号泣しておりました」と、激しく心を揺さぶられたことを明かした。そして「名古屋で『やる!』って決めまして、大阪では、ハッピーを連れたおとうさんのような気持ちでカートを引きずってました」と、出演の経緯を振り返った。

劇中、おとうさんとハッピーは、東京から北海道の名寄まで、東北の太平洋沿岸を北上しながら旅をする。福島県出身の西田は「去年の夏、冬にかけて、福島をメインに撮影しました。はからずしも、大震災前の東北の太平洋側の道のりを記録した形になってしまいました」と悲しそうな表情を浮かべた。また「津波前の美しい三陸やいわきの海岸が映っているので、感慨もひとしお。いわきの永崎海岸でハッピーと泳ぐシーンがありますが、ここは子どもの頃に遠足などに行った場所。思い出もたくさんあり、いつになったらあの海岸で子どもたちの歓声が聞こえるのかと思うと複雑な、切ない気持ちです」と、東日本大震災で大きな被害を被った故郷への思いを吐露していた。

会見では撮影中の楽しいエピソードについても語られ、西田と玉山が夜な夜な酒を酌み交わしていたことも明らかに。西田は「共演シーンはないのですが、撮影場所は一緒なので」とニヤリと笑ってから、「美味しかったです。酔いました」とコメント。玉山も「毎日のように西田大先輩が飲みに誘ってくださったので(笑)。北海道から南下して来たので、旅番組のようにずっとご一緒させていただき、駅で立ち食いそばを食べたり、青森で美味しいお魚を食べたり」と回想。民謡酒場にも繰り出したそうで、西田は「最後は2人で津軽三味線に合わせて踊ってました」と、楽しい思い出を振り返った。

また、原作にない映画オリジナルの家出娘役を演じた川島は「最初は不安と緊張でいっぱいでした」と明かす一方、「ひたむきに夢を追い続けている女の子の役で共感できました。私も結構、負けず嫌いだし、意地を張っちゃう部分があるので」とも。両親を亡くした孫を育てる祖父を演じた藤は「いい歳してますが、おじいさんを演じたのはこれが初めて」と笑顔で語っていた。

映画について西田は「原作の素晴らしさと、映画化への自分の熱い思いが実を結び、素晴らしい作品になりました」とコメント。玉山は「泣けて、心が温まる最高の映画。僕にとって特別な作品になりました」と話していた。

『星守る犬』は6月11日より全国東宝系にて公開される。

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『星守る犬』作品紹介
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