あのディズニーが立ち上げた新レーベル「ディズニーネイチャー」の記念すべき第1弾『フラミンゴに隠された地球の秘密』が、8月28日から日本で劇場公開される。その公開を前に、6月29日、マシュー・エバーハード監督とプロデューサーのジャン・フランソワ・カミレッリが来日し、都内で記者会見を行った。
東アフリカのタンザニアにあるナトロン湖。毒性の強い水をたたえるために「死の湖」ともいわれるこの湖に飛来するフラミンゴたちの生態を綴った、スペクタクルなドキュメンタリー・ムービーで、日本語版のナレーションを宮崎あおいが務めている。この日は宮崎も登壇し、映画の魅力を語った。
宮崎のナレーションについてプロデューサーは、「素晴らしい才能をナレーターに迎えられて大変ラッキー。この作品は彼女なくしては成立しないくらい」とべた褒め。ディズニーでは今後も毎年1本ずつドキュメンタリーを公開していくそうだが、「第1本目を担当してくれた彼女に、ディズニーネイチャーの親善大使のような存在になっていただければ」と抱負を語った。監督も、「声がとても印象的。力強くすばらしい声で、映画をひっぱってくれました」と高く評価していた。
2人から絶賛された宮崎はちょっと照れたような表情を浮かべ、「ナレーションのお仕事は、一番難しいもののひとつ。今回で言えば、主役はフラミンゴで、私はその情報を伝えることが役割だと思います。情報をきちんと伝えながらも、見ている人の邪魔になってはいけないので、感情を込めてというよりも、一歩引いた形でナレーションすることを心がけました」と語った。自分の声が吹き込まれた作品を見た感想について、「嬉しいのですが、すごく恥ずかしい。まだ客観的に見れないところがあります(笑)」と話していた。
映画自体については、「親が子どもを守る姿に胸を打たれました」と宮崎。「手は届かないけれど、どうにか(敵から)逃げ切ってほしいと願いながら見ていました。それから、これまでフラミンゴについてはあまり知らず、なぜピンクなのかも知らなかったので、作品を通して学ぶなど、ものすごく勉強になりました」と真摯な面もちで語っていた。
さらに宮崎は、フラミンゴとの意外な関連を披露。「この話をしても反応がイマイチなのですが」と前置きしつつ、「子どもの頃から、フラミンゴみたいに立つことが多くて、一時期、自分が昔はフラミンゴだったんじゃないかと言っていたんです。でもそう言っても、『ふ〜ん』みたいな反応なので、しゃべらなくなっていたんですけど(笑)」と教えてくれた。
息を呑むほどに美しい映像だが、撮影は困難をきわめたと監督。「早朝、鳥たちを驚かさないように小さな隠れ小屋に行き、非常に小さなそのスペースで、夜8時くらいまで撮影していました。アフリカの強い日差しの中での過酷な撮影でした」と話していたが、「素晴らしい映像が撮影できたりすると、不快さや苦労を忘れてしまった」とも。
同シリーズの今後のラインナップは、花粉を運ぶ小さな生き物たちの大きな役割を描いた『ヒドゥン・ビューティー』、ライオンやチーターなどの子育てのドラマを綴った『アフリカン・キャッツ』などで、毎年1本ずつ公開していく予定。あの『皇帝ペンギン』の製作も手がけたプロデューサーのカミレッリは、「(このレーベルで)我々が住む地球が、いかに美しい場所であるかを伝えていければと思っています。目指すのはテレビのドキュメンタリーとは違う、大画面に耐えうるハイクオリティーな作品をお届けすることです」と力強く語った。
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