【2013年ニュース総まとめ7】珍&ワーストニュース/セレブを狙った悪ふざけ続発
連日ゴシップが生まれる、何でもありのハリウッド。今年も、ちょっと奇妙なニュース、無念としか言いようのないニュースが届けられた。その中から印象深いトピックをご紹介しよう。
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年初早々、口パク疑惑で世間を騒がせたのはビヨンセ。1月21日に行われたオバマ大統領の就任式で国歌を独唱したのだが、実は前日に録音した音源に合わせて口を動かし、実際は歌っていなかったことを翌22日にアメリカ海兵隊音楽隊の報道官が明かした。当初、ビヨンセ側はこの件について沈黙していたが、10日後の31日に釈明会見を開いた。
これが日本なら、涙ながらの謝罪に始まるところだが、集まった記者たちの前に現れたビヨンセはまず彼らに起立するよううながし、やおらアカペラで朗々と国歌を歌い上げると、「皆さん、どうもありがとう。何か質問は?」と笑顔で一言。完全に場を掌握した。そして「私は完ぺき主義者なの。自分の足から血がでるほど練習するのよ。今回はオーケストラとリハーサルする時間がなく、きちんとしたサウンドチェックもできず、そんな状況でリスクを冒したくなかった」と弁明。完成度の高いパフォーマンスを就任式で披露するための当然の選択だと考えたようだ。ちなみに2日後に出演したスーパーボウルのハーフタイムショーで熱唱。完全に汚名返上を果たした。
日本では現在、セレブの自宅ばかりを狙ったティーンの素人窃盗団を描いた『ブリングリング』が上映中。数年前、実際に起きた事件をもとにした作品だが、これに続く、セレブをターゲットにした悪ふざけ犯罪「スワッティング(swatting)」が今年、ハリウッドを席巻した。嘘の緊急通報をして警察の機動隊を出動させるもので、1月にはまずトム・クルーズが標的に。トムの自宅に武装した侵入者がいるという通報を受けて警察が出動したが、不審な点は何もなく、イタズラだと判明した。前年にもアシュトン・カッチャーやジャスティン・ビーバーが被害に遭っているが、2月にはクリント・イーストウッド宅に銃で武装した複数の男が侵入、発砲があったという偽の通報があった。このほかにも歌手のリアーナ、大物ラッパーのP・ディディ、ブリトニー・スピアーズ、ビヨンセらも同様の通報で騒動に巻き込まれた。家宅侵入や発砲の緊急通報に対応するのは警察の義務。だが、こうしたイタズラに振り回され、本当の事件発生時に対応が遅れるおそれを考えると、笑い事では済まされない。ちなみに、アシュトンとジャスティンの事件で犯人として昨年12月に逮捕されたのは、なんと12歳の少年。その後も犯行は続いていることから、こうした不届き者は複数存在するとみられている。
残念、そして無念なのは、今年もドラッグ摂取によって若い俳優が命を落としてしまったことだ。人気テレビシリーズ「glee/グリー」でフィンを演じていたコーリー・モンテースが7月13日、カナダのホテルの部屋で死亡しているのが発見された。死因はヘロインとアルコールによる中毒死。3月から1ヵ月間、自らの意志で薬物とアルコール依存症治療のリハビリを受けたばかりだった。このときは恋人のリア・ミシェルをはじめ、共演者たちがサポートを表明するなど、周囲からも支えられていたのだが、亡くなった部屋からはドラッグのついたスプーンと使用済みの注射器、空のシャンパンのボトル2本が発見された。死に至ったのは、リハビリを受けたことで麻薬の耐性が下がった結果だという説もあるが、なんともやりきれない悲しい最期となってしまった。
9月には、『ハイスクール・ミュージカル』などでアイドルとして人気を博してきたザック・エフロンが薬物依存症克服のためにリハビリを受けていたことを告白した。優等生のパブリック・イメージとは裏腹にプライベートではパーティ三昧、その挙げ句、コカインにはまってしまったという。出演映画の撮影の前後に2度施設に入り、リハビリは修了したが、11月には自宅前で転倒してあごを骨折。出演作『ヘアスプレー』などのアダム・シャンクマン監督が看病していたが、その監督が今度はリハビリ施設入りしたという。何が起きているのか、少々不安を感じずにはいられない。
昨年、やはり薬物依存症治療でリハビリ施設入所後、行方不明になって世間を騒がせた『ターミネーター3』のニック・スタールは、今年6月に覚せい剤所持で逮捕された。もともとニックは、『ターミネーター2』でジョン・コナーを演じたエドワード・ファーロングが薬物で問題を抱えて降板したことから、『3』に起用された経緯がある。皮肉としかいいようのないめぐりあわせだ。克服しても、ほんの一瞬魔が差す。そしてまた引きずり込まれる。この悲劇は、これからもまだ繰り返されるのだろうか。
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