第22回東京国際映画祭で特別招待作品に選ばれている『笑う警官』の記者会見が、10月23日に六本木ヒルズで行われ、大森南朋、松雪泰子、宮迫博之、製作・監督・脚本を担当した角川春樹、原作の佐々木譲が登壇した。
『笑う警官』は北海道警察を舞台にした、150万部突破の道警シリーズ第1作目を映画化した作品。2002年に実際に起こった道警の組織ぐるみの汚職事件をヒントに、警察内部にメスを入れた骨太な社会派映画だ。
昨年10月に東映撮影所で開かれた記者会見では、「警察モノとなると、私以外には撮れない」と発言、場内を沸かせていた角川監督。それだけに今回も、記者から出演者3人に、監督から警察に関する実体験を踏まえた演出はあったかというきわどい質問が寄せられた。
これに対し、大森は「監督の実体験の話は、何となく現場で聞いていましたが、僕の口からそういうことを言うのは避けておいた方が……」と話し、代わりに監督から「セリフをゆっくりと喋るように」とアドバイスされたことを明かしていた。
一方、宮迫は「もちろん、監督に言われたことも多々ありますが、演者の中で、僕は唯一、実体験で逃亡したことがあるので、非常に役作りしやすかったです」と、怖い人に追われた実体験を告白し、記者たちの笑いを誘った。また、ヤクザの親分役として出演している角川監督から日本刀を突きつけられるシーンを振り返り、「本当に怖かった。演技を超えた演技というか」と、そのシーンの怖がりぶりが、演技ではないことを強調していた。
別の記者から「初めて角川監督にお会いしたときの印象をひとことで言うと?」と聞かれた3人は、「恐怖」(大森)、「右に同じです」(宮迫)、「恐怖です」(松雪)とテンポ良く答えていた。
最後に角川監督は、この映画を撮るに当たってスタッフやキャストに対し「現実に起こった不祥事を扱っているけど、スタイリッシュに撮り、世界に通用する映画にする」と伝えた。だから、今までの日本映画とタッチが違う作品ができたと話し、「全世界どこでも通用する作品に仕上がったと思います」と、久しぶりの監督作に自信をのぞかせていた。
『笑う警官』は11月14日より全国公開となる。
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