(…前編より続く)
○【4位予想】『映画 ビリギャル』
ベストセラー「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」をもとに、映画『いま、会いにゆきます』の土井裕泰監督、有村架純主演で贈る成長物語。
・【週末シネマリサーチ】(前編)ウィル・スミス新作はV3なるか? 金髪ギャル・有村架純にも注目だ!
清純派のイメージだった有村が超ミニスカート&金髪ギャルに扮したビジュアルはインパクト大。プロモーションも“ギャル押し”。4月6日に行われた完成披露試写では、超ミニスカートの印象を聞かれた有村が“はいていない”というドッキリ発言をすれば、4月27日の女子高生限定試写会でも、パンツが見えそうな150人のギャルたちと撮影を行うなど、ターゲットを10代に絞った展開を見せる。
一方、大阪では、幸運の神様・ビリケンさんが“ビリ”つながりで金髪に制服という姿を披露し、大きな話題を呼んだ。有村がヒロインをつとめた『ストロボ・エッジ』(15年・東宝)は、福士蒼汰の人気もあるが、全国294スクリーンで28万人を動員。“金髪ギャル”のイメージが強く、プロモーションもティーン向け。家族や大人がどこまで劇場に足を運ぶかが焦点だが、物語自体は、1人の女の子を通した成長物語として“泣き”も“笑い”もある好仕上がり。13〜18万人ぐらいか。
△【6位予想】『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』
人気アニメ『機動警察パトレイバー』を押井守監督で実写化した『THE NEXT GENERATION パトレイバー』劇場公開版。全7章に渡って放送(劇場公開も)されたドラマ版の続編。首都・東京を舞台に壮絶なバトルが繰り広げられる。
キャストは、筧利夫をはじめ新鋭・真野恵里菜、福士誠治、太田莉菜、高島礼子など粒ぞろい。4月21日には、8メートルの巨大イングラムが新宿のど真ん中に登場するなど、ド派手な演出を行ってきた。『機動警察パトレイバー』、そして押井監督共に非常にファンが多く、本作の集客は大いに見込める。約230館での公開と上映館数もそろった。10万人超えの潜在能力は十分ある。
【注目シネマ】
×『私の少女』
『ジュピター』や『クラウド アトラス』などハリウッドでも活躍中の女優ペ・ドゥナが主演をつとめ、家庭内暴力やセクシャルマイノリティー、不法就労などを描いた人間物語。
ペ・ドゥナは。日本でも『空気人形』や『リンダ リンダ リンダ』などに出演し、知名度は高い。3月26日にはチョン・ジュリ監督が来日し、作品に込めた思いを語った。スタート時の公開劇場は少なく大きな話題にはならないだろうが、映画から伝わる強い想いは、見るものの心を大きく動かすだろう。
(文:磯部正和/映画ライター)
磯部正和(いそべ・まさかず)
雑誌の編集、スポーツ紙を経て映画ライターに。基本的に洋画が好きだが、仕事の関係で、近年は邦画を中心に鑑賞。本当は音楽が一番好き。不世出のギタリスト、ランディ・ローズとの出会いがこの仕事に就いたきっかけ。
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