北野武監督の最新作『アウトレイジ』完成報告会が、2月8日、東京国際フォーラムで開催され、北野監督以下、11人のキャストが登壇、作品について語った。
映画は、ヤクザたちの抗争を主軸にしたR-15のバイオレンスアクションで、極悪非道(Outrage/アウトレイジ)な男たちのドラマが展開する。
巨大暴力団組織の若頭を演じた三浦友和は、「全員がワルのなかで、一番のワルを、(自らの)イメージ通り爽やかに演じさせていただきました(笑)」と、役について解説。また、北野作品への出演ということで、どんな役柄かも聞かずに出演を決めたことも明かしていた。
早撮りで知られる北野監督だが、今回はいつにも増して早撮りだったという。昨年8月23日から10月23日までの2カ月間の撮影を振り返った椎名桔平は、「北野組の撮影は独特で、とても大胆。あまりテストをせず、役の説明もほとんどなく、一発本番を繰り返す現場だった」。加瀬亮も「今までで一番と言ってもいいほど撮影のスピードが早く、ついていくのがやっとという感じでした」と苦笑い。國村隼は「撮影のテンポは本当に早くて、気持ちのいいテンポでした」。中野英雄も「スピードが早くて、人の芝居を見ているような余裕はなかった」と、異口同音に、北野監督のスピーディな仕事ぶりを語っていた。
これについて北野監督は、「このクラス(の俳優)になると、ほとんど演技に問題はなくて、(撮影も)パッパパッパ進んだ」と、実力派揃いの名優たちのおかげで、今までよりも更に早く撮影する事ができたと話していた。
激しすぎる暴力描写も見どころのひとつで、「痛いシーンが痛くて……いや〜痛かったです」としみじみとした口調で語ったのは杉本哲太。石橋蓮司も「これほどやられていいんだろうかと言うくらい、理不尽にいじめられました」とコメント。さらに、以前、北野とドラマで共演したことがあり、そのときもいじめられるキャラだったことを説明してから、「俺は北野監督のサディズムをくすぐるのかも(笑)」と自己分析していた。
内容については、「今回は“お笑い”の要素をなくそうと思った」と北野監督。だが、「人間はあまりに痛かったり暴力的過ぎると、つい笑ってしまうことがある。笑わせる気は全然ないのですが、極限状態で笑うしかないという部分のある映画」だと話し、「久々にエンターテインメントとしてリリースできる作品。楽しんでください」とアピールしていた。
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