前編/時折見せる寂しげな表情が決め手! 今旬美少女・早見あかり初主演作が出来るまで

#映画作りの舞台裏

『百瀬、こっちを向いて。』
(C) 2014 映画「百瀬、こっちを向いて。」製作委員会
『百瀬、こっちを向いて。』
(C) 2014 映画「百瀬、こっちを向いて。」製作委員会
『百瀬、こっちを向いて。』
(C) 2014 映画「百瀬、こっちを向いて。」製作委員会
明石直弓(あかし・なおみ)
1968年生まれ、宮城県出身。大学卒業後、徳間ジャパンに入社し、テレビドラマ製作会社CUCに出向、ドラマ製作に携わる。その後、フリーランス期間を経て、2008年よりROBOT映画部に所属。『サマータイムマシーンブルース』『海猿 ウミザル』、『舞妓 Haaaan!!!』などのキャスティングを手掛ける。長年温めてきた企画である2008年公開の『ガチ☆ボーイ』で初めてプロデューサーをつとめる。以降、プロデューサーとして映画『おっぱいバレー』を手掛ける。今秋『小野寺の弟・小野寺の姉』、『紙の月』と2本の映画の公開が控えている。

映画化権が争奪戦となった恋愛小説の映画版プロデューサーに聞く

人気作家の乙一が、別名義の中田永一として発表した小説を映画化した『百瀬、こっちを向いて。』。ももいろクローバーの元メンバーである早見あかりを長編映画初主演に迎えて、みずみずしくて切ない青春ラブストーリーに仕上げている。本作のプロデューサーである製作会社ROBOTの映画部所属の明石直弓氏に話を聞いた。

ROBOTは『ALWAYS 三丁目の夕日』や『永遠の0』といった大作映画から、第81回アカデミー賞短編アニメ賞を受賞して話題となった『つみきのいえ』などの製作で業界では知られている。

明石氏は2008年に出版された「百瀬、こっちを向いて。」の単行本で原作に出会い、読んだときから映像が浮かぶ繊細なタッチに大いに惹かれたという。ちなみに、原作者の中田永一と乙一が同一人物であるということは当初はまだウワサ段階で、彼女は読んだ後で知ったそうだ。乙一にはホラーやミステリーのイメージを持っていて、あまり好みのジャンルではなかったという。

2005年に恋愛アンソロジー『I LOVE YOU』に収められた同小説の映画化権はすでに争奪戦となっており、出遅れたために当初はあきらめざるを得ない状況だった。それでも明石氏はまるで恋したように「百瀬〜」が頭から離れず、「いつ映画化されるんだろう?」と折を見ては検索をかけて動向を探っていたが、情報を見つけられない日々が過ぎていった。実際には、映画化の話は進行していたようだが、実現には至らずに終わってしまっていたらしい。

そして、2012年、ひょんなことで出会った出版社の編集者が、後からわかったことだが実は「百瀬〜」の担当であり、後日、その編集者から「まだ「百瀬〜」の映画化に興味ありますか?」と連絡が明石氏のもとに入ったのである。「百瀬〜」の映画化プロジェクトが再始動したとあれば、また権利の争奪戦が繰り広げられることは火を見るより明らか。明石氏は急いで企画書を作成し、出版社のもとへと走った。…中編に続く(文:入江奈々/ライター)

中編/今旬美少女・早見あかり初主演作が出来るまで
後編/今旬美少女・早見あかり初主演作が出来るまで

『百瀬、こっちを向いて。』は全国公開中。

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