今年も開催、6回目となる「AKB48 37thシングル 選抜総選挙」が6月7日に味の素スタジアムで行われ、5月21日の速報で3万7582票を獲得し、前回に続き今回も1位の第一候補と目されていた指原莉乃(HKT48、チームH)が、2万5283票と1万2299票の差を付けていた渡辺麻友(AKB48、チームB)に逆転負けをした。
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開票後の数字は1位のまゆゆが15万9854票と歴代新記録を樹立。2位指原の14万1954票に対し、逆に1万7900票の差を付けた形で、まゆゆが指原より3万199票上回ったことになる。
これを受け、ネット上にもさまざまな分析記事などがあがっている。なかには、中国からの大量組織票が動いたことを報じる記事も。また、例年のことではあるが、ネットオークションによる投票券の大量売買問題、さらには投票済みの券を大量に落札した人によるクレームなども記事になっており、こうした大量投票などが及ぼした影響も、まゆゆ1位という結果に無関係ではないだろう。
ただ、1つ言えることは、指原ではなく、アイドルそのものを体現したかのような存在であるまゆゆが1位になったことで、ファンがAKB48はやはりアイドルグループだという選択をしたのではないかということ。
思えば、昨年の総選挙も波乱に満ちたドラマが繰り広げられていた。なかでも、それまで大島優子とセンターの座を争っていた前田敦子の卒業は大きく、今まであった前田票がどこに流れるかに注目が集まった。そういう意味では卒業のため、今回選挙に参加しなかった大島票の行方も大きい。
その大島は昨年2位、まゆゆが3位で、1位は指原だった。その瞬間、アイドルの集団であるAKB48にも大きな転機が訪れた。もともと、指原が本気で1位になると予想した人はメディアにもそれほど多くなかった。それだけに指原の勝利は、青天の霹靂。指原自身「私がセンターになったら、AKBは壊れるとか言われていますが、絶対にAKB48は壊しません」と壇上で語っていたが、この言葉がまさに彼女に対する周囲の評価を物語っている。彼女は本家本流では決してなかったのだ。
それから1年。7日に行われた総選挙は、ある意味、指原がセンターをつとめるAKB体制が続いていくことに不安を感じていたファンにとっては、リベンジの場であった。彼らにとっては前田や大島が築いてきたものこそがAKB48であり、それを踏襲でき、かつ、指原に勝てる可能性のあるメンバーはまゆゆしかいなかった。大島票も指原よりまゆゆに、より多く流れたと推測される。
これに輪をかけたのが速報だろう。1位の指原と2位のまゆゆの差に、愕然としたファンも多いに違いない。もっと頑張らねばという気持ちになっても不思議ではない。
一方で指原は、この差に少し安心してしまったのかもしれない。イベントで「1位になれなかったら滝に打たれて見つめ直したい」と答えたのも、勝てるという思いが少し慢心につながったからこそだろう。
とはいえ、この1年でHKTを引っ張り、今回の総選挙でもHKTを躍進させた手腕は見事なもの。来年以降の総選挙が、前田・大島体制のように、指原・まゆゆの2強体制となるのか、躍進する若手に席を譲ることになるのか? AKB48の今後に注目したい。
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