真珠湾攻撃を指揮した連合艦隊司令長官として知られる一方で、誰よりも強硬に戦争に反対し続けたと言われる山本五十六。その山本を主人公にした映画『聯合艦隊司令長官 山本五十六』のクランクアップ会見が7月18日にホテルニューオータニで開かれ、山本五十六を演じた役所広司を筆頭に、玉木宏、柄本明、柳葉敏郎、吉田栄作、椎名桔平、伊武雅刀、中村育二、五十嵐隼士、瀬戸朝香、田中麗奈、原田美枝子、宮本信子、香川照之、成島出監督ら15人が登壇した。
・[動画]『聯合艦隊司令長官 山本五十六』クランクアップ会見
・『聯合艦隊司令長官 山本五十六』クランクアップ会見、その他の写真
この日は早朝に、なでしこジャパンが米国代表を破り、悲願の初優勝をはたしたばかり。役所は「今朝の日米決戦をみなさんご覧になって寝不足かと思いますが、僕も一睡もせずに応援してました。みなさんもお疲れでしょうけど、しばらくお付き合いください」と挨拶。求められるリーダー像を問われると、「部下に愛され、世界を見ることができる人物で、自分の信念を貫き、最後まであきらめない強い胆力の持ち主」と答えていた。
東京日報の敏腕記者・真藤利一役を演じた玉木は「この当時は今のようにいろいろなマスメディアがなく、新聞やラジオがほとんどだった。そのなかで誇りを持って仕事をしていたが、真実を追求しているつもりが、段々とずれてしまっていた。それが、五十六さんと出会い、真実を伝えないといけないという使命感に再び目覚めたという思いで演じた」と役作りについて話した。
零戦パイロットの牧野幸一役を演じた五十嵐は「若い世代の代表として架け橋になれれば」とコメントすると、「零戦のパイロットということで、若い人がいつも死と隣り合わせにいる。そんな感覚がお芝居をする上で、大変ではあるけれど、すごく勉強にもなった」と明かしていた。
東京日報の主幹・宗像景清役を演じた香川は、太平洋戦争に突入した要因の1つにメディアの力もあったと言われていることについて、「事実はわからないが、この映画を通じて、僕自身マスメディアの力は非常に大きく怖いものであると感じた。何でもメディアの描き方1つで変わってしまうし、メディアには煽動する力がある。裏を返せば、この映画もみなさんの心づもり1つでどうにでもなる」と話し、集まった報道陣を笑わせていた。
また、この日は総合学習の一環として女子高生16名も会見に参加。そのなかの1人から役所に「戦争を知らない私たちが、この映画をどのように受け止めたら嬉しいですか?」との質問が寄せられた。役所は「僕も戦争を知らない子ですけど」と顔をほころばせると、「どうして戦争が起こってしまったのか? 映画を通してもう1度、みんながあのときの戦争のことを考えるきっかけになれば大成功だと思っています。ぜひ劇場で見てください」と話していた。
『聯合艦隊司令長官 山本五十六』は12月23日より全国公開となる。
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