ヴェネチアで韓国映画が初の金獅子賞、銀獅子賞はサイエントロジーがモデルの問題作
第69回ヴェネツィア国際映画祭が9月8日(現地時間)に閉幕、コンペティション部門最高賞の金獅子賞には韓国のキム・ギドク監督『Pieta(原題)』が輝いた。韓国映画の同賞受賞は史上初。快挙を達成したギドク監督は壇上で金獅子賞の楯を受け取ると、スピーチの代わりに「アリラン」を熱唱し、喜びを表現した。
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監督賞に当たる銀獅子賞を受賞したのは『The Master(原題)』のポール・トーマス・アンダーソン監督。トム・クルーズをはじめセレブの信者も多い「チャーチ・オブ・サイエントロジー」の創始者、ロン・L・ハバードをモデルにした内容で、 とある新興宗教団体のカリスマ的リーダーを演じたフィリップ・シーモア・ホフマンと主人公の右腕となる退役軍人を演じたホアキン・フェニックスが優秀男優賞をダブル受賞した。アンダーソン監督とフェニックスは既にトロント国際映画祭に向かった後だったが、入れ替わりにホフマンがヴェネツィアを訪問、空港から直接会場入りして賞を受け取った。
優秀女優賞はイスラエルの『 Fill the Void(英題)』のハダス・ヤロン、マルチェロ・マストロヤンニ賞(最優秀新人賞)はマルコ・ベロッキオ監督の『Dormant Beauty(英題)』と『E Stato Il Figlio(原題)』の2作に出演したファブリッツォ・ファルコが受賞。優秀脚本賞は、現在『カルロス』が日本公開中のオリヴィエ・アサイヤス監督の新作『Something In The Air(英題)』が受賞した。審査員特別賞はオーストリアのウルリヒ・ザイドル監督の『Paradise Faith(原題)』が受賞。
先鋭的で革新的な作品を集めたオリゾンティ部門のオリゾンティ賞(最優秀作品賞)は中国のワン・ビン監督『Three Sisters(英題)』に輝いた。今年、日本からはコンペティション部門に北野武監督『アウトレイジ ビヨンド』、オリゾンティ部門に若松孝二監督『千年の愉楽』が出品していたが、惜しくも受賞は逃した。
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