失業しても前向きに生きる女性を描いたフランス映画に共感!

「エイト・タイムズ・アップ」に主演したジュリー・ガイエ
「エイト・タイムズ・アップ」に主演したジュリー・ガイエ
「エイト・タイムズ・アップ」に主演したジュリー・ガイエ
グザビ・モリア監督

第22回東京国際映画祭コンペティション部門にフランスから出品された『エイト・タイムズ・アップ』が10月21日に上映され、グザビ・モリア監督と主演女優ジュリー・ガイエがティーチ・インを行った。

タイトルは「七転び八起き」に由来しており、フランスに暮らす女性が職を失い、アパートから追い出されながらも、前向きに生きていこうとする姿を描いていく。観客の一人が、「日本でも仕事が見つかりにくい状況があり人ごとではないと思って見ていた」と感想を述べたとおり、世界的不況の今、誰もが共感できる作品となっている。

ユーモアとポジティブなセンスが光る作品だが、「最初に書いた台本は、悲しく暗いものだった」と監督。だが、「希望の見いだせない状況におかれ、手も足も出ないと思った瞬間に、ふっきれることがあるのが人間だと考え、その瞬間を描きたかった」と、台本が書き直された背景を語った。

また、含みをもたせたエンディングについての説明を求められた監督は、「ハリウッド映画で描かれるのは完璧なハッピーエンド。私もハッピーエンドは大好きですが、この映画では、仕事を得た主人公が、この先、失業してしまうことは明らかです。でも、私が描きたかったのは、職を得ること自体ではなく、『仕事を得られる自分』に成長していくこと。そして、たとえ失業したとしても、前よりも少しは良くなっているはずなのです」と解説。そして「そのへんをハッキリと描かなかったのは、これがハリウッド映画ではないから」とユーモアを交えて語り、観客を笑わせた。

一方、優しい笑顔が印象的なジュリーは、「様々な状況の中で変化していく、多面的な女性を演じられ、とても楽しかった」とコメント。引っ込み思案で自信なげな女性のキャラクターについて、「フランス人にはなかなかいないタイプ。もしかしたら日本人的なのかもしれませんが、それがとてもうまく描かれている」と語っていた。

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