殺人の容疑をかけられた息子の無実を信じ、真犯人を捜し出そうとする母親の姿を描いた韓国映画『母なる証明』。10月27日に新宿バルト9でプレミア上映会が開かれ、キャストのキム・ヘジャ、ウォンビン、ポン・ジュノ監督が舞台挨拶を行った。
「韓国の母」とも称される国民的女優キム・ヘジャが今回、演じたのは、息子のために暴走していく母親。一方、繊細なルックスで人気を博すウォンビンが兵役後に初めて演じたのは、恐ろしいほどに純粋な心を持った子どものような青年。共に今までのイメージを大きく覆す強烈なキャラクターに挑戦し、新境地を開拓した。
監督はそんな2人の演技を「自慢したい」と誇らしげに語り、「ウォンビンさんは、大女優であるキム・ヘジャさんに負けないくらいの驚くべき演技を見せてくれました。演技派に変身を遂げた彼の演技を見ることができて、本当に嬉しく思っています」と続けた。母の愛を主軸としながらも、単純なヒューマンドラマとは一線を画する作品だが、監督も「新たな衝撃を受けると思います」とアピールしていた。
これまで『殺人の追憶』『グエムル−漢江の怪物−』などを手がけ、国内外から高い評価を得る監督。本作もカンヌ映画祭「ある視点」部門に出品され好評を博したほか、来年のアカデミー賞外国語映画賞部門の韓国代表にも選ばれている。ヘジャは「大好きな監督が私と仕事をしたいと言ってくれてとても嬉しかった」と出演の喜びを語りつつも、「撮影中は監督に対して愛憎の気持ちもあった」と明かしていた。またウォンビンも「監督、キム・ヘジャさんと一緒に仕事できたのは本当に光栄」と誇らしげだった。
さらにこの日は、韓国映画の大ファンだという鳩山幸内閣総理大臣夫人と、オムニバス映画『TOKYO!』で監督と仕事をした香川照之がスペシャルゲストとして登場。監督らに大きな花束を手渡した。
先日の訪韓時には、韓国大統領と韓国映画やドラマの話で盛り上がったという鳩山夫人。日本の映画のアピールもしてきたと話し、「『近くて近い国』になれるよう、これからも努力していきたい」と抱負を述べた。『母なる証明』については、「すごく重く、考えちゃう映画なんですけど、母親ってやっぱりそうなんだろうなと思える。大いに期待してください」と、母としての共感も交えながら語ってくれた。
『母なる証明』は、10月31日よりシネマライズほかにて全国公開される。
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