10月公開作の1位は『バクマン。』の13億円。主演の佐藤健と神木隆之介がペアで宣伝活動にあたった。佐藤は昨年の『るろうに剣心』で数多くの番組に出演してPRにつとめたが、『バクマン。』では佐藤と神木がペアで番組に出演することで、違いを出そうとしている。
実は今作の製作元は東宝で、テレビ局は出資していない。そこで局の枠を超えて2人は数多くの番組に出演した。また全国30局で特番『映画『バクマン。』バク論スペシャル』を放送。こちらも系列の枠を超えて放送された。さらに9月に完成披露試写会と高校生限定友情試写会で、10月3日に公開初日で舞台挨拶を行った他、10日から12日の3連休で全国9都道府県を巡り、計23回の舞台挨拶を敢行した。
2位は『図書館戦争 THE LAST MISSION』。公開3週目で12億円をあげ、前作(最終興収17.2億円)を若干上回るペースとなっている。製作元のTBSでは、映画が公開される1週間前の10月4日に前作のテレビ特別編集版、5日にドラマ特別企画『図書館戦争 ブック・オブ・メモリーズ』を放送した。主演の岡田准一をはじめとする出演者たちは9月に完成披露試写会、10月10日に公開初日で舞台挨拶を行った他、20日はロケ地でもある仙台で凱旋イベントを行った。
3位は『マイ・インターン』の9億円。出演者の来日はないが、『プラダを来た悪魔』の時のアン・ハサウェイを彷彿させる役柄が女性を中心に受けているようだ。また札幌、東京、名古屋、大阪、福岡の全国5大都市でデトックス・イベントを実施。札幌は舞川あいく、東京は陣内孝則と佐藤栞里、名古屋は黒田知永子、大阪はシルク、福岡はスザンヌがゲストとして登壇し、映画のPRに一役買った。
なお10月24日から三谷幸喜監督新作『ギャラクシー街道』が封切られた。初日2日間の興収は約2億7000万円。前作『清須会議』(最終興収29.6億円)の約56%の出足となった。近年の三谷作品の興収を見ると『ザ・マジックアワー』(08年/39.2億円)、『ステキな金縛り』(11年/42.8億円)。『清須会議』は前2作と比べると興収を落としたが、『ギャラクシー街道』はさらに興収が伸び悩みそうだ。(文:相良智弘/フリーライター)
[10月公開作ランキング]
1位『バクマン。』13億円
2位『図書館戦争 THE LAST MISSION』12億円
3位『マイ・インターン』9億円
(10月25日時点。ムビコレ調べ)
相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。
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