(…前編より続く)
○【3位予想】『信長協奏曲』(のぶながコンツェルト)
石井あゆみ原作の人気コミックを小栗旬主演で連続ドラマ化した作品の劇場公開版。歴史嫌いの高校生サブローが、戦国時代にタイムスリップし、自分とそっくりな織田信長と出会ったことから巻き込まれてしまった戦火を生き抜く姿を描く。
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高打率を誇る「東宝&連続ドラマ映画化」という図式。昨年も『HERO』(54万1000人)や『S -最後の警官- 奪還 RECOVERY OF OUR FUTURE』(16万人)、『アンフェア the end』(21万4000人)などが公開され、安定した数字を残した(数字は初週土日動員数)。
本作は約320館での上映。ドラマの平均視聴率は12.46%(ビデオリサーチ・関東)。これは『S -最後の警官〜』の14.15%よりやや低い。しかも初回15.8%だった視聴率は最終回で10.7%まで下がった。ドラマ終了から約1年たっており、このあたりが少々影を落とす。小栗をはじめ、柴咲コウ、向井理、山田孝之など魅力的なキャストはそのまま映画にも登場するも、どこまで動員できるか。
▲【4位予想】『手裏剣戦隊ニンニンジャーVSトッキュウジャー THE MOVIE 忍者・イン・ワンダーランド』
年始恒例の人気戦隊シリーズが共演する劇場版映画。現在放送中の『手裏剣戦隊ニンニンジャー』と前作『烈車戦隊トッキュウジャー』が悪の組織と戦う姿を描く。
2015年公開の『烈車戦隊トッキュウジャーVSキョウリュウジャー THE MOVIE』は全国301スクリーンで公開され、初週土日動員8万4000人、2014年『獣電戦隊キョウリュウジャーVSゴーバスターズ 恐竜大決戦!さらば永遠の友よ』は、全国304スクリーンで公開され、動員13万3000人という数字だった。東映の戦隊シリーズの流れは数種類あるが、どれも大崩れしない。
1月6日に行われた完成披露イベントでは、適役の闇博士マーブロを演じるお笑いコンビ・南海キャンディーズの山里亮太が登壇。悪役でのキャスティングに“ますます嫌われる”と自虐的発言でニュースになった。本作は約320館での上映と過去と比べても大きな違いはない。『手裏剣戦隊ニンニンジャー』も好評で、10万人前後の集客は間違いないだろう。
△【9位予想】『PERSONA3 THE MOVIE #4 Winter of Rebirth』
PlayStation2用ゲーム「ペルソナ3」を原作とした劇場版アニメーション第4弾にして最終章。
これまで3作が公開され、第1弾が全国26スクリーンで、初週土日動員3万9000人、第2弾が全国35スクリーンで、初週土日動員3万7000人を記録し、それぞれランクインした。本作も劇場公開数は約30館と多くはないが、メモリアルミニ色紙など、先着順でもらえる来場者特典もあり動員数は期待できそうだ。
【注目シネマ】
*『愛しき人生のつくりかた』
3人の息子を育て上げた心優しき母マドレーヌは、クリスマス前に最愛の夫に先立たれてしまう。悲しみに暮れるなか、自らの人生を振り返ったマドレーヌは、ある思いを実現するために突然姿を消してしまう……。
フランスでは半年以上も公開され、大ヒットした人間物語。配給は緩急自在の作品を手掛けるアルバトロス・フィルム。公開時は単館での上映だが、味わい深い人間ドラマに加え、美しいフランスの景色も堪能できる。口コミでの広がりを期待した作品だ。(文:磯部正和/映画ライター)
磯部正和(いそべ・まさかず)
雑誌の編集、スポーツ紙を経て映画ライターに。基本的に洋画が好きだが、仕事の関係で、近年は邦画を中心に鑑賞。本当は音楽が一番好き。不世出のギタリスト、ランディ・ローズとの出会いがこの仕事に就いたきっかけ。
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