4月公開作の1位は『名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)』。映画版20周年記念作で、シリーズで人気の高いコナンの宿敵で、世界的規模の犯罪組織「黒ずくめの組織」に潜入するスパイの暗殺事件が物語の軸。ここにFBIや公安などの諜報機関も加わりバトルロワイヤルが繰り広げられる。
物語の鍵を握る記憶喪失の女性の声優を天海祐希が担当するほか、FBI・赤井秀一と公安・安室透の人気キャラクター2人の因縁バトルも描かれる。映画で5年ぶり5度目となるB’zが新曲を書き下ろしている。
近年のシリーズの興行成績は絶好調。『絶海の探偵』(13年/36.3億円)、『異次元の狙撃手』(14年/41.1億円)、『業火の向日葵』(15年/44.8億円)と3年連続でシリーズ最高を更新し続けている。子どものころに見たファンが大人になっても見続け、ファン層が広がっているからだ。本作も前作を上回る絶好調の出足で、公開後9日間で興収25億円をあげており、前作の38%増。さらなる記録更新は間違いない。
2位は『映画クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃』。劇団ひとりがアニメの脚本に初挑戦。夢の世界を舞台に、しんのすけとカスカベ防衛隊の活躍を描く。前作は22.9億円とシリーズ歴代2位の大ヒットとなった。本作は公開後9日間で興収7.2億円と前作とほぼ前作と同じペースだ。
3位はディズニーアニメーション『ズートピア』。動物たちが暮らす大都市ズートピアを舞台にウサギの女性警官とキツネの詐欺師が活躍するファンタジーアドベンチャーだ。全米週末興行ランキングで3週連続1位を獲得し、全世界では興収9億ドル(4月24日時点)を超える大ヒットとなっている。日本では昨年ディズニーの『ベイマックス』が91.8億円、ピクサーの『インサイド・ヘッド』が40.4億円を記録。ディズニー&ピクサーアニメーションは根強い人気がある。『ズートピア』は初日2日間で興収4.5億円をあげ『インサイドヘッド』を上回っている。最終興収でも上回る可能性は十分だ。
なお、レオナルド・ディカプリオ主演作『レヴェナント 蘇えりし者』の初日3日間の興収は2.4億円。最近の主演作の興収を見ると『華麗なるギャツビー』(13年)が11・3億円、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(14年)が10億円未満にとどまる。ディカプリオが悲願のアカデミー賞主演男優賞を受賞した話題性は大きいが、出足は『ウルフ〜』をやや上回る程度。今後の巻き返しに注目したい。(文:相良智弘/フリーライター)
[4月公開作ランキング]
1位『名探偵コナン 純黒の悪夢』25億円
2位『映画クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃』7.2億円
3位『ズートピア』4.5億円
(4月24日時点。ムビコレ調べ)
相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。
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