桐野夏生のベストセラー小説を映画化した『東京島』の完成発表会見が、4月7日に行われ、木村多江と窪塚洋介、福士誠治らが出席した。
会見が行われたのは銀座のエルメス。実はこの作品は、エルメスが初めて日本映画とコラボレーションした記念すべき作品で、劇中でも、エルメスのスカーフ“カレ”が印象的に使われている。
無人島に漂着した23人の男と1人の女。逆ハーレム状態の中で、人々が欲望を剥き出しにしていく様子を描いた物語で、木村は、ただ1人の女性という立場を利用し、女王のように君臨する主人公を演じている。
撮影は、昨年10月から12月にかけ、主に沖永良部島(おきのえらぶじま)と徳之島で行われた。木村は、「今までにないくらいのタフさを要求される現場でした。映画では常夏の島という設定ですが、実際は寒くて……。風にあおられ、生命の危機を感じながら撮影しました」と苦労を振り返った。
本作とは逆に、23人の女とたった1人の男という設定だったらという質問には、「パート2があるなら願わくば、その設定でお願いします(笑)」と窪塚。どんな作品になると思うかと聞かれ、「きっと、モザイクいっぱいの作品になるのでは」と話していた。一方、福士は、「(女性たちに)こき使われるのでは」と気弱な発言。それを聞いた木村も、「こき使いたいですね」とニンマリ。「女性はタフなので、すさまじいアマゾネスたちが誕生するのでは」と、女の強さを強調していた。
映画は、主人公夫妻がクルーザー旅行に出かけたことから展開するが、旅行で絶対手放せないアイテムについて聞かれた木村は「寒がりなので、ストールやスカーフは必需品」と回答。福士は「のど飴は常に持ち歩きたいですね」と話していた。また、「旅行中、案外、必要なかった物は?」という質問に窪塚は、「初めての海外旅行で、友だちにだまされて印鑑を持って行ったけれど、最後まで使わなかった」と、過去を振り返って苦笑い。
原作については、「賛否両論の本ですが、ああいう立場になったら、私も、生きるために本性がむき出しになるのでは」と木村。窪塚は「結構、グロい仕上がり」と感想を述べ、最初の台本ではライトに書かれていた自分の役を、より原作に近い風に変えていったことを明かしていた。
『東京島』は今夏公開予定。劇中では、古地図をモチーフにした『東京島』スペシャルカラーのカレが登場するが、今回のコラボを記念し、4月8日からエルメスでも販売されるという。
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